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ヤマハ発動機ジュビロの清宮監督と三村キャプテン |
ヤマハ発動機ジュビロ
○清宮克幸監督
「皆さん、見ての通りです。決勝戦だというのに、選手が何ともアグレッシブに戦ってくれました。強気、強気で攻めて、前半であの点差になったのが勝因です。チームスローガンどおりの結果が前半戦で、後半戦は自分たちが正しい判断ができ、想定していたとおりに選手たちが必死で戦った結果でした。結果はノートライ。今シーズンのベストゲームでした。・・・(三村キャプテンを覗き込み)ほめ過ぎか?(笑)」
──サントリーとの試合展開は?
「サントリーさんは決勝だからと言って、自分たちのスタイルを変えてくるチームでないのは、私が身を持って分かっているチームです。チームスローガンを『ヤマハスタイル』にしてきたのも、サントリーでの経験からです。想定内のアタック・ディフェンスで、ヤマハ発動機が準備できたということですかね。過去3年はそれでも通用しなかったのですが、体力・スキルが上がり、ライバルに勝てるようになったと思います」
──昨年までなかったものは?
「1年、2年で身に付くものではありません。ファイト、体力、精神力も4年必要でした。4年前は入替戦を2点差で勝つチームでした。4年間、どのチームよりも選手たちが努力して身に付けたものじゃないでしょうか」
──レスリングトレーニングが奏功したのか?
「もちろん、重要なピースの一つです。身体を『入れていく』と言うのか、低い姿勢から立つ動作は、間違いなく日本で一番やっていると思います」
──教え子の畠山選手と抱擁していたが?
「前半で交代は悔しかったでしょうね。彼以外の選手は、社交辞令もあるのでしょうが、『おめでとう、今度食事に』と言ってくれました(笑)。食事に行っても、どうせ僕が支払うのですが(笑)。彼らも、僕がやっているヤマハ発動機に負けたのでは仕方ないと満足しているのではないですか。お互い、来年は今より上のレベルで戦えるようになりたいですね」
──五郎丸選手がシンビンの時は?
「あの10分が、今日のゲームのポイントでした。時間と得点差で、サントリーさんはボールを手放したくなかったのでしょう。それが勝負のアヤでした。背後を攻められたら苦しかったと思います」
──キャプテンの三村選手は?
「3年目の去年から、お前しかいないと。難しいところで見ての通り身体を張る選手です。こいつが行くなら、あとの選手も行くしかないと。そういう選手です」
──今までの優勝より嬉しそうだったが?
「そんなことはありません。それぞれの嬉しさがあります。ヤマハ発動機には勝つことを期待していただいて監督を依頼されたのですから、かなりの部分で、責任を果たしたという気持ちの方が嬉しさより大きいです。ただ、バックスタンドを見て、ヤマハ発動機は関西リーグで優勝した十数年前のパネルの写真以外、そういう写真がなかったので、同じ写真が撮れるなと思ったら、うるっと来たんです。良い写真が撮れたと思います(笑)」
──優勝の要因は?
「ヤマハがなぜ強いのかと言うと、あえて言えば、安定したセットピースがあるからです。それで、初めてゲームが組み立てられます。それを作り上げたのが、スクラムコーチの長谷川慎です」
○三村勇飛丸キャプテン
「素直に、最後を笑顔で終われて、嬉しいです。清宮さんが着任して4年間、やってきたことが間違いじゃなかったと思います。しかし、まだまだ、成長できるチームです。トップリーグも獲っていないし、来年はもっと強くなりたいと思います。(横から、清宮監督が『来年のことを今言えるなんて、すごいキャプテンだね。本当にすごい奴だね。私はとてもとても、これからどう2か月を過ごそうか考えて、体重が10kgくらい増えるんじゃないかと思っているのに』と一言)」
──清宮監督の4年間は?
「一言でまとめられるものではありません。毎年、毎年、悔しい思いをして、積み重ねてきたことです。今はキャプテンの僕だけでなく、一人ひとりがリーダーシップを取れるようになりました。今年からストレッチアプローチも変えてやってきたことが結果につながったと思います」
──五郎丸選手がシンビンの時は?
「試合前からディフェンスが7割以上の試合になると分かっていました。ヤマハボイスと言うのですが、一瞬でも集中力が切れないよう、隙を見せないで声を出して、寝ている時間を少なくしていました」
──バックスタンドの応援は?
「たくさん来てくださったのに、プレーオフ決勝で勝てず、今度こそと思っていました。今日は、力になったし、喜んでもらえて嬉しかったです」
──日本一になった要因は?
「スクラムだと思います」 |